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看護師のインシデントは忙しいから責められないのか?

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最近、テレビや新聞などで取り上げられている看護師のインシデントのニュース。日々多忙な業務に追われている看護師の皆さんの中にも、決して人ごとではないと感じている方が多いのではないでしょうか。

以前私の知人の新人看護師からも、自分の引き起こしたインシデントにより、まわりから責められすっかり自信を無くしてしまったという話を聞いたことがあります。

今回は、看護師が働く現場の中でのインシデントについて考えてみたいと思います。

インシデントと医療事故・・・何が違うの?

看護師の引き落とす「インシデント」とは、簡単に言えば「事故になりそうな医療ミス」のことで、ミスは起きたものの患者さんの身体に直接の影響は無く、結果的に事故にまでは至っていないというケースのことを言います。一般的に「ヒヤリハット」とも呼ばれているものもこれに含まれます。

一方で「医療事故」とは、その事故が発生したことにより患者さんに直接影響のあったものを言います。看護師が引き起こすインシデントの中には、重大な事故につながる可能性が高いものもあるだけに、インシデントを繰り返さないように次につなげることが重要になります。

看護師が起こしやすいインシデント

看護師業務には様々あり、看護師の皆さんもあわただしい中で日々働いています。それだけに、思わぬところでインシデントを引き起こしてしまうことが多いです。特に経験の浅い看護師ほどインシデントを起こす割合が高いと言われています。看護師が引き起こすインシデントで、事故につながる可能性が高いものとして挙げられているものを紹介します。

◎投薬・与薬に関すること
・違う患者に誤薬させてしまった
・与薬の分量や投薬方法の間違い
・投与の時間忘れ

◎点滴に関する事
・患者を間違えて投与してしまった。
・点滴漏れに気が付かなかった。
・点滴を落とす速度を間違える

◎転倒・転落に関すること
・ベッドからの転落、歩行中の転倒、トイレでの転倒など ◎その他
・入浴介助時のお湯の温度間違え
・インスリン注射の単位誤り

このように看護師が働く医療の現場では、色々な場面で様々なインシデントが起こりやすく、またそれが一つ間違えば医療事故にもつながることを理解しておくことが大切です。

インシデントを未前に防ぐには、どうしたらいいの?

インシデントを未然に防ぐために、日頃からどんなことにことに気をつけたらよいのでしょうか。

・看護師の業務量は多く、多忙な日々の中でどうしてもインシデントを引き起こしやすいと言われています。 特に経験の浅い看護師の場合には、看護師業務にも不慣れなため、なおさらの事・・・経験は積み重ねるしかありませんが、少しでも自信を持つ事ができるよう、医療に関する知識や技術を深める努力をしていきましょう。

・わからないことや不安なことは、自分だけで判断せずに、先輩や上司に確認し指示やアドバイスを受けましょう。

・多忙な日々で心身ともに疲弊していることもあるため、気分転換や休息をとることも大切です。

・与薬等のチェックについては、可能な限り複数でチェックしたり確認する習慣をつけることで、予防にもつながります。

・万が一インシデントが起きた場合、それを引き落としたミスの原因もしっかりと確認しておくことが大切です。その後のインシデントを繰り返さないために重要なポイントとなります。

まとめ

どんなベテランの看護師に聞いてみても「私は今まで一度もインシデントを起こさなかった・・・」という人は、まずいないのではないでしょうか。また「私は絶対にインシデントを起こさない!」と断言できる人もそう多くはないはずです。

看護師の現場は、業務量も多く日々時間に追われているため、インシデントは責められないと言う声もありますが、やはり患者さんの命に関わる業務であり、インシデントが重大な医療事故にもつながる可能性もあります。

大切なことは、インシデントを起こしても、それをいつまでも引きずらず、同じことを繰り返さないこと・・・これに尽きると思います。もし今インシデントを起こして「辞めたい」と思っている人がいるのであれば、まずは自分が起こしたインシデントをしっかりと振り返り、どうすべきであったかを考えていくことで、再発防止に向けていきましょう。

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